著者は1950年福島県生まれ。68年フランス料理界に入り、73年から12年間フランスに滞在。名だたるシェフのいるレストランで修業し帰国。86年、東京港区にあるレストラン「コート・ドール」の料理長に就任、現在は同店オーナーシェフ(斉須政雄 著、朝日出版社、2002年刊)
私が勤める病院は、浄土真宗本願寺派と関係の深い大日本仏教慈善会財団が設立・運営する、独立型緩和ケア病院である。お坊さんのいる病院である。ありがたいことに、当院を訪れていただいた多くの方々から、「穏やかで、あったかい場所」、そう評価をいただいている。それは、私たちが何より大切にしているものである。
しかしながら、裏に回ると、すべてのスタッフは、明日を迎えられないかもしれない患者さんのために、考え、話し合い、走り回っていて、さながら「戦場」のようだ。
「戦場」という言葉は、現在の日本ではきな臭いものに聞こえるかもしれない。しかし、私はこの本に感化され、ぴったりくる言葉だと考え、用いている。
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