2000年製作の英米合作映画。イギリスの作家ジョアン・ハリスの同名小説の映画化。監督は『ギルバート・グレイプ』など良作を多く手がけるスウェーデン出身のラッセ・ハルストレム。2001年度アカデミー賞5部門にノミネートされた佳作(DVD:角川映画、2009年発売)
古くからある価値観に縛られてしまって、活きる魅力を失いつつあるフランスの小さな村が、流れ者(アウトサイダー)である主人公やジプシーの一団との、食べ物(チョコレート)、音楽、ダンスといった、一見「無駄に見える」ものによる接点から変わっていく。
英米合作の映画だが、ハラハラ、ドキドキの米国映画ではなく、美しい小さな村で静かに、でも劇的に話は流れ、気がついたら何度も見てしまった。それでいて、深すぎる欧州映画のように眠たくなってしまうわけでもない。主演のジュリエット・ビノシュも、助演のジョニー・デップもジュディ・デンチも、成熟した大人の男女としての魅力が映像から受け取れるのは、自由との距離感か。
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