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在宅医療の普及度示す「数字」を [お茶の水だより]

No.4816 (2016年08月13日発行) P.13

登録日: 2016-08-13

最終更新日: 2016-10-30

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今年4月から開始した弊誌の「PickUp医療データ」欄では毎回、医療に関する「覚えておくと役立つ数字」を紹介している。「数字」といえば、在宅医療関連の取材をする中で最近感じるのが、在宅医療の普及度を正確に示す数字の必要性だ。
例えば、7月に開かれた全国在宅医療会議で厚労省は、在宅医療の推進に向けて重点的に対応すべき分野の具体例として「在宅医療の特性を踏まえた臨床評価指標」を挙げている。
また、弊誌5月7日号の座談会「在宅医療のこれまで・これから」では大澤誠氏が、群馬県の医療計画で在宅医療の普及度を示す指標に在宅療養支援診療所の数が用いられていること、その基準では大澤氏が開業している伊勢崎市は「在宅医療が進んでいない地域」となってしまうことを指摘。かかりつけ医が外来で診ていた患者を訪問診療する形が増えることを在宅医療の普及度の指標にしてほしいと提案している。
次期医療計画の在宅医療・介護連携に関する事項を検討する厚労省ワーキンググループでも、在宅医療の実態をどう把握するかが主要な論点となっている。現行の医療計画で在宅医療に関する唯一のアウトカム(効果・成果)指標は、在宅死亡者の数だ。これに対し池端幸彦構成員(日本慢性期医療協会)は、在宅医療を受けている患者が急変により入院した直後に死亡した場合を例に挙げ、在宅死亡者数だけでは十分に実態を把握できないと指摘している。
現状を正しく把握するための「数字」がなければ適切な対策を講じることは難しい。在宅医療の普及には、現場で在宅医療に取り組むかかりつけ医の努力を反映する指標の開発が不可欠だ。

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