厚生労働省は3日、「在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ(WG)」(座長=田中滋慶大名誉教授)の初会合を開いた。都道府県が策定する医療計画で在宅医療の現状を把握するための指標として、サービス実績に注目した指標を充実させることなどを論点として示した。
同WGは、2018年度から始まる第7次医療計画の作成指針などを議論する「医療計画の見直し等に関する検討会」の下に設置されたもの。医療計画のうち、在宅医療や介護との連携に関する部分を集中的に検討し、9~10月をメドに結論を取りまとめて親会議に報告する。
同日の会合で厚労省が示した主な論点は、(1)同じく2018年度からスタートする次期介護保険事業(支援)計画との整合性、(2)在宅医療の医療連携体制を評価する指標─など3項目。
(1)の介護計画との整合性では在宅医療の整備目標について、国は全国共通の基準を示すのではなく、目標設定の考え方を示すにとどめる方針を提示。これは在宅医療の需要が介護施設の定員に応じて変化することや、在宅医療と介護施設の整備状況が地域によって大きく異なることを踏まえたもの。
(2)の医療連携体制では、医療機関が提供するサービスの実績に注目した指標を充実させることが打ち出された。現在は「在宅療養支援診療所の数」など構造に関する指標が多いが、在宅看取りの約2割は在支診以外の一般診療所が実施しており、医療連携体制の実態を反映させることが狙いだ。