株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

特集:外来でHIV感染症に出会ったとき,どう対応する?

No.4831 (2016年11月26日発行) P.25

監修: 塚田訓久 (国立国際医療研究センターエイズ治療・研究開発センター医療情報室室長)

登録日: 2016-11-25

最終更新日: 2016-11-22

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

監修:塚田訓久 (国立国際医療研究センターエイズ治療・研究開発センター医療情報室室長)

「AIDS」として1980年代初頭に世界を騒がせたHIV感染症は,1990年代後半に登場した強力な多剤併用抗HIV療法により,「死の病」から「長期生存可能な慢性疾患」へと姿を変えた。現在では1日1回1錠内服による治療が可能となり,早期に診断されれば生命予後は非感染者と同等と考えられるまでになった。治療により血中HIVが抑制された感染者からその性的パートナーへのHIV伝達リスクがほぼ消失することも実証されている。しかし,治療の進歩によってHIV感染者の抱える問題がすべて解消したわけではない。その最たるものは偏見・差別であるが,医学的には「診断の遅れ」の問題を避けて通るわけにはいかない。わが国の年間約1500人の新規報告数のうち,1/3がAIDSを発症してから診断されている。診断の遅れは,本人の生命予後の悪化のみならず,診断されるまでの間の感染拡大につながる。 感染リスクを自覚していないHIV感染者は,専門施設を選んで受診することはない。未診断のHIV感染者を最善の治療につなげる役割は,HIV感染症を専門としない実地医家にゆだねられている。本特集が,臨床現場での積極的な検査を通じて感染者に利益をもたらすことを期待したい。

1 一般外来でHIV感染症を疑うヒント
兵庫県立尼崎総合医療センター感染症内科医長 松尾裕央

2 HIV感染症の検査
国立国際医療研究センターエイズ治療・研究開発センター医療情報室室長 塚田訓久

3 HIV感染症の告知と専門医療機関への紹介 
神戸大学医学部附属病院感染症内科准教授 大路 剛

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連求人情報

関連物件情報

もっと見る

page top