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溶連菌感染症での休業期間をどう考えるか? 【学校保健安全法に準拠する】

No.4834 (2016年12月17日発行) P.62

和田紀之 (和田小児科医院院長)

登録日: 2016-12-13

最終更新日: 2016-12-08

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  • 溶連菌感染症にかかったときの成人の休業期間は何日でしょうか。

    (質問者:高知県 F)


    【回答】

    溶連菌感染症は,A群溶血性レンサ球菌が原因となる感染症です。扁桃炎など上気道感染症,皮膚感染症,猩紅熱などが主な疾患です。特に注意すべき点は,本症がいろいろな症状を呈すること,合併症として発症数週間後にリウマチ熱,腎炎を起こすことです。そのため,全身症状が強いときは安静にし,確実な抗菌薬治療を受け,経過を観察する必要があります。

    小児の登校(園)基準の目安として,適切な抗菌薬療法であれば開始後24時間以内に感染力は失せるため,それ以降は登校(園)可能です。

    (1)A群溶血性レンサ球菌感染症の疫学と成人の休業期間
    A群溶血性レンサ球菌感染症は年齢に関係なく起こりえますが,学童期に最も多く,3歳以下や成人では,典型的な臨床像を呈する症例は少なくなります。ヒトに対して幅広い病原性を示し,感染性は急性期に最も強くなります。急性期の感染率は,兄弟での間が最も高率で25%と報告されています。

    学校での咽頭培養を用いた研究によると,健康保菌者が15~30%いると報告されています。健康保菌者からの感染は稀です。

    高齢社会を迎えたわが国では,近年,市中型侵襲性感染症の主要な起炎菌としてC,G群溶血性レンサ球菌が注目されています。

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