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脂肪組織由来幹細胞(ADSCs)を使った再生医療の将来展望 【重篤疾患への臨床応用,他家由来のADSCs導入による臨床研究の進展に期待】

No.4836 (2016年12月31日発行) P.62

曽束洋平 (兵庫医科大学形成外科)

清水雄介 (琉球大学医学部形成外科特命教授/診療科長)

登録日: 2016-12-29

最終更新日: 2016-12-19

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  • よく知られている幹細胞としてES細胞(胚性幹細胞),iPS細胞(人工多能性幹細胞),体性幹細胞があります。しかしES細胞は倫理面の課題,iPS細胞は腫瘍化の面で課題が残ります。そこで体性幹細胞のうち,採取が容易で移植における拒絶反応も少ないと言われる脂肪組織由来幹細胞が注目を集めています。
    脂肪組織由来幹細胞を使った再生医療の将来展望について,琉球大学・清水雄介先生にお伺いしたいと思います。

    【質問者】

    曽束洋平 兵庫医科大学形成外科


    【回答】

    再生医療は「失われた身体機能を取り戻すために,幹細胞などを利用して組織,臓器などを再生させることにより,難治疾患・重篤疾患やQOL改善が必要な疾患を克服する」ことを目的としています。この再生医療において要となる細胞が3つあります。その3つとは,京都大学の山中教授によって開発されたiPS細胞,ヒトの受精卵から作製されたES細胞,人体の様々な場所で発見された体性幹細胞です。iPS細胞は世紀の大発見とされる大きな可能性を秘めた幹細胞ですが,癌化の問題や作製コストの問題が残っています。ES細胞も優れた幹細胞ですが,ヒトの受精卵を使用することから,倫理面の課題が残っています。これらに対し,体性幹細胞は癌化しにくく倫理的な問題もないことから,実用的な幹細胞と言われています。

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