【質問者】
曽束洋平 兵庫医科大学形成外科
再生医療は「失われた身体機能を取り戻すために,幹細胞などを利用して組織,臓器などを再生させることにより,難治疾患・重篤疾患やQOL改善が必要な疾患を克服する」ことを目的としています。この再生医療において要となる細胞が3つあります。その3つとは,京都大学の山中教授によって開発されたiPS細胞,ヒトの受精卵から作製されたES細胞,人体の様々な場所で発見された体性幹細胞です。iPS細胞は世紀の大発見とされる大きな可能性を秘めた幹細胞ですが,癌化の問題や作製コストの問題が残っています。ES細胞も優れた幹細胞ですが,ヒトの受精卵を使用することから,倫理面の課題が残っています。これらに対し,体性幹細胞は癌化しにくく倫理的な問題もないことから,実用的な幹細胞と言われています。
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