編者: | 三川信之(千葉大学大学院医学研究院形成外科学 教授) |
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判型: | B5判 |
頁数: | 172頁 |
装丁: | カラー |
発行日: | 2022年01月28日 |
ISBN: | 978-4-7849-5866-5 |
版数: | 第1 |
付録: | 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) |
私が形成外科医になる前の一般外科研修中のことです。胃癌の手術を無事終了した患者様の術後の訴えは胃部ではなく、腹部の創痕に対してでした。皮膚表面にはステープラによる縫合糸痕(suture mark)が著明に残存していたからです。千葉大学病院では数年前まで初期研修医を対象に「真皮縫合コンテスト」を行っていましたが、その主催は形成外科ではなく消化器外科の教室でした。外科医は機能を治すのは当然でありながら、整容面も意識して傷跡に治すことが求められる時代であると言えます。形成外科の対象疾患は頭頂部から足先に及ぶ全身であり、年齢・性別も新生児から高齢者まで、「老若男女」すべてが対象となります。そのため基本手技はきわめて多岐にわたり、その習得にはそれなりの時間と労力を要します。
本テキストは、初めて形成外科を学ぶ専攻医を対象とし、形成外科の基本事項と手技を身につけることができるように編集いたしました。執筆者は千葉大学形成外科学講座で活躍する先生方に専門分野を考慮してお願いしました。項目を形成外科における「縫合」、「基本的な処置」、そして各分野における「基本手術や対処法」の3つのパートに分け、図や写真を多用してそれぞれを分かりやすく解説しております。手技の習得には実際の処置や手術を目で見ることが最良の近道です。基本手技の動画を閲覧することにより、視覚にも訴えられるようになっています。
本書は前述のように、初めて形成外科を学ぶ専攻医が対象ですが、形成外科医を志す初期研修医、形成外科専門医取得前の後期研修医にも十分に役立つ内容となっています。優れた形成外科医になるためにはスタートが肝心です! 本書をお役立て頂けましたら幸いです。