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下まぶたの「たるみ・ふくらみ」の治療法は?

No.5219 (2024年05月04日発行) P.50

永竿智久 (香川大学医学部形成外科・美容外科教授)

緒方寿夫 (南平台緒方クリニック院長)

登録日: 2024-05-07

最終更新日: 2024-04-26

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  • 下まぶたの「たるみ・ふくらみ」治療は大手美容外科がテレビで集患,宣伝合戦をしていますが,病態を理解して治療法を選択するという基本姿勢が失われている状況です。
    そこで,下まぶたの「たるみ・ふくらみ」を治すにはどうしたらよいでしょうか。南平台緒方クリニック・緒方寿夫先生にご解説をお願いします。

    【質問者】永竿智久 香川大学医学部形成外科・美容外科教授


    【回答】

    【まずは,「たるみ・ふくらみ」の主訴と成因を適切に評価する】

    画一的な治療が安易に行われているのでは,との危惧につきましては,患者さんの主訴,成因は様々ですので,ご指摘の通りその病態を適切に評価することが肝要と思います。

    下まぶたの「たるみ・ふくらみ」は,目袋,バギーアイなどと称し,いわゆる涙袋(眼輪筋瞼板部)と区別され,部分的もしくは眼窩全幅の膨らみ,涙袋の尾側に膨らみを伴うdouble convex type,下まぶた全体が膨らむwhole typeなど,形は様々です。眼窩頬溝が目立つ場合は凹か凸か明確でないこともあり,さらに表情によっても形は大きく変わります。患者さんの訴えも,クマ(膨らみ下部の影),凹み(眼窩頬溝),しわ,たるみ,膨らみなど多様ですので,主訴と成因を把握して治療選択しています。  

    治療法の変遷については,以前は①皮膚軟部組織の弛緩と,②眼窩脂肪の突出を成因とみなし,①に対しては下眼瞼縁での除皺術,②に対しては経皮的除脂術を行い,眼瞼外反対策に眼輪筋吊り上げ術を併用する方法が一般的でした。しかし,1990年代にlaser resurfacing (炭酸ガスレーザーなどによる表皮剝奪と真皮線維の熱収縮)と同時に経結膜的除脂術を行う方法が報告され,①に非手術的治療を,②に経結膜的除脂術を行う考え方が広がりました。

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