「生活習慣病─更なる健康長寿社会に向けて」をメインテーマに、1月14、15日、都内で開かれた第51回日本成人病生活習慣病学会学術集会の会長を務めた。「生活習慣病を抱える高齢者が増え、ポリファーマシー(多剤処方)によってかえってQOLを落とすなどの問題が現実的に起きています。高齢者のがんについても、何歳まで手術などの積極的な治療をするのか、長寿社会にあった医療のあり方を考える必要があります」
そうした問題意識から、「高齢社会における胃癌診療」「生活習慣病とがん」「超高齢社会と生活習慣病」「脂質異常症治療の現況と今後の展開」などの講演を企画。「職域と生活習慣病」と題したシンポジウムでは、新しいたばこ対策、職場のメンタルヘルス、政府が健康寿命を伸ばすための方策として打ち出したデータヘルス計画についても議論を展開した。「抗血栓療法の進歩と題したシンポジウムも行いましたが、使いやすい薬が出て抗血栓療法が大きく進歩した一方で、消化管障害も起こっています。私は消化器が専門なので、そういった問題も知っておいていただければと考えました」と話す。
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