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脳梗塞画像診断の臨床応用の今後 【time or tissue,speed and safety】

No.4840 (2017年01月28日発行) P.56

神谷雄己 (昭和大学江東豊洲病院脳神経内科准教授)

井上 学 (国立循環器病研究センター病院脳血管内科)

登録日: 2017-01-25

最終更新日: 2021-01-06

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  • 急性期血栓回収術の有効性を示した研究の多くでは,症例選択に灌流画像や側副血行画像が用いられていました。しかしわが国では,これらの検査が十分に波及していないのが実情だと思います。脳梗塞の画像診断の臨床応用は今後どのように変わっていくと思われますか?
    国立循環器病研究センター・井上 学先生にご教示頂きたく存じます。

    【質問者】

    神谷雄己 昭和大学江東豊洲病院脳神経内科准教授


    【回答】

    迅速な血栓回収術が患者の転帰に有効であるという大前提をもとに,超急性期脳梗塞の画像診断は検査自体のスピードアップが望まれています。ひとつでも無駄な画像検査(シークエンス)を省略し,早々に治療に移りたいのは当然のことかと思います。海外研究のEXTEND-IA1)やSWIFT-PRIME2)ではCTの灌流画像で広範なコア領域を持った脳梗塞を治療対象から除外して,自動判定ソフト3)を使用して灌流異常領域とコアのミスマッチを比較し,そう遅くない治療開始時間内に,より安全に血栓回収術を行っています。またESCAPE4)ではmultiphase CTA法5)により側副血行路を評価し,潜在的に側副血行路が優良である対象患者を選定しています。

    Stanford脳卒中センターでは,造影剤を使用しないASL法の灌流画像を使用した灌流異常領域とコアのミスマッチの試験も進んでいます。

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