ワクチン予防可能疾患(vaccine preventable diseases:VPD)の疾病負担と,VPDに対するワクチンの有効性評価および安全性評価から導かれる医療経済性を総合的に評価し,各国は各ワクチンの定期接種化を決定している。疾病負担が大きいほど,ワクチンの有効性が高いほど,ワクチンの安全性が高いほど,優れた医療経済効果が認められる。
ワクチンは健康な人に接種するために,一般の医薬品よりも高い安全性が求められており,先進国各国は自国の実情に応じた独自のスケジュールで定期接種を行っている。本特集では,わが国が抱えているワクチンの問題点(ワクチンの安全性評価,定期接種化の道筋,接種すべきワクチンの増加と混合化)の現状と今後について紹介する。
1 ワクチンの安全性評価 ─現状と対策
国立病院機構三重病院院長・小児科 庵原俊昭
2 ワクチンの定期接種化 ─今後のあゆみ
川崎医科大学小児科教授 中野貴司
3 ワクチンの変更・混合化と接種スケジュール変更 ─現状と課題
国立病院機構三重病院臨床研究部部長・小児科 菅 秀