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【話題3】内視鏡下副鼻腔手術の新展開 [特集:今、話題になっていること ─耳鼻咽喉科編]

No.4846 (2017年03月11日発行) P.31

中川隆之 (京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科講師)

登録日: 2017-03-10

最終更新日: 2017-03-08

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  • 過去の内視鏡下副鼻腔手術(ESS)

    1980年代後半に術式として内視鏡下副鼻腔手術(endoscopic sinus surgery:ESS)が提唱され,90年代には,手術機器の発展とともに,副鼻腔炎に対する標準的な術式として世界で広く認識されるに至った。
    ESSでは,各副鼻腔の排泄経路を適切に開放することで副鼻腔炎を制御することを基本コンセプトとしている。ESS以前の直視下手術では,額帯鏡やヘッドライトの光で鼻内を観察して手術操作を行っていたのに対して,ESSでは内視鏡を操作部位近傍に挿入し,撮像素子(charge coupled device:CCD)カメラがとらえた画像をモニターに映し,モニターを観察しながら手術操作を行う。出血による内視鏡尖端の汚れは,イリゲーションシステムにより解決され,デブリッダーシステムなど軟部病変切除のための機器が導入され,手術操作性も向上し世界で広く一般化するに至った。
    副鼻腔の多くは中鼻道に排泄経路を有することから,中鼻道の副鼻腔排泄経路,すなわち中鼻道自然口ルート(ostiomeatal complex:OMC)を切除して,広く中鼻道に交通させることが主な手術内容となる。中鼻道から篩骨洞,上顎洞を開放する術式は一般的な手術操作となったが,前頭洞手術は難易度の高い手術とされ,課題のひとつであった。

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