厚生労働省は9日、全国医政関係主管課長会議を開き、2017年度に実施する各施策を都道府県担当者に周知した。冒頭に挨拶した椎葉茂樹大臣官房審議官(写真)は、今通常国会に医療法等改正案を提出することや、地域医療構想調整会議が4月から始まることなどを踏まえ、17年度を「医療行政にとって大変重要な年」と位置づけ、関係者に協力を求めた。
医政局担当官は主な施策として、10日に国会に提出された医療法等改正案における措置を紹介した。そのうち医療機関の開設者に対する監督規定の整備について、「医療法人以外の開設者に対し医療法人と同様の監督規定を整備することで、段階的かつ改善命令など柔軟な対応を可能にする」と狙いを説明。今回の見直しで医療法人以外の法人が開設する医療機関に対しても、①医療機関本体への立入検査、②開設者への立入検査、③不適切な運営があった場合の改善命令、④改善命令に従わなかった場合の業務停止命令、⑤医療機関の開設許可取消、閉鎖命令─という措置を講じることが可能になるとした。
また、「医療に関する広告規制の見直し」について医政局担当官は、法改正により医療機関のWebサイトを法律上の「広告」に定義した上で、虚偽・誇大等の不適切な表示を禁止し、中止・是正命令および罰則を科すことができるようになると説明した。その上で都道府県に対し、改正法成立後は現行の医療広告規制に加えWebサイト等の不適切な表示に関する指導の必要性を強調した。