日本専門医機構は17日の理事会で新整備指針の運用細則案を了承した。自治医大など義務年限を有する大学を卒業した専攻医や出産、留学などの事情に配慮し、研修カリキュラム制(用語解説)も可能とする考えを示した。23日の社員総会で正式に決定する予定。17日に機構が示したスケジュール(表)によると、8月の専攻医募集に向けて、まずは各基本領域学会が4月までに新整備指針に基づく整備基準を確定することとなる。
昨年12月に決定した新整備指針では研修方法について「基本領域学会専門医の研修は、原則として研修プログラム制(用語解説)」と規定している。これについて細則では、一定の要件に該当する場合にはカリキュラム制による専門研修を可能とした。具体的には、①卒業後に義務年限を有する医科大学卒業生において必要と考えられる場合、②地域医療に資することが明らかな場合、③その他、出産、育児、留学など、相当の合理的な理由がある場合─とし、教育レベルが保持されることを条件にカリキュラム制を認める。
会見で細則について説明した山下英俊副理事長は、「カリキュラム制を可能とする規定を設けたが、教育レベルは下げない」とし、「専攻医が専門医の勉強ができるよう、ローテート研修のための勤務先の選定などを機構としてサポートする」と強調した。