全国自治体病院協議会の邉見公雄会長は22日の会見で、会員病院を対象に、医師の働き方や労務管理に関するアンケート調査を実施する方針を明らかにした。医師の「労働」の範囲についての解釈や、「夜勤」と「当直」の区別などを巡って、病院ごとに大きなバラツキがあることから、働き方改革に向けた議論のベースとなるよう実態を把握する。
会見で邉見氏は、働き方改革の議論について「医師は労働者だと最初から決めつけている」と違和感を示した上で、「医師の働き方は、地域の文化、救急を受け入れる病院の数、診療科の構成などによって違ってくる」と指摘。応招義務などの「特殊性」を挙げ、医師の業務が労働関連法規に必ずしも馴染まないとの見方を示した。
邉見氏はまた、新専門医制度における都道府県協議会(用語解説)のあり方にも言及。兵庫県の協議会委員を務める邉見氏は、「大学から医師を派遣してもらっている病院長は睨まれるのを怖がって何も話さない。あれでは全く意味がない」とし、「知事や力のある行政の人間が協議会を仕切らないと大学医局の言いなりになる」と述べた。末永裕之参与も「弱い立場の地域の病院の意見を聞く仕組みがない限り、特に一県一医大の県では医局の権限が昔より強くなる可能性がある」と述べ、協議会の権限を強化すべきとした。