認知症の人は加齢とともに増加し,超高齢社会のわが国ではすべての医師が認知症の診療をしなくてはいけないと考えている。どんな疾患でも診断は問診で始まるが,認知症の診断には特に重要である。この特集では,認知症専門医でなくても認知症診断ができるように,問診のポイントや注意点を含め,実際の具体的な質問例やその回答の意義について解説する。そして,認知症と鑑別が必要なうつとせん妄について,事例をもとにその違いやチェックポイントの解説をして頂いた。
1 認知症の問診と病歴聴取の進め方
日本医科大学武蔵小杉病院認知症センター特任教授 北村 伸
2 認知症と紛らわしい疾患の見きわめ①─うつと認知症
横浜市立大学保健管理センター教授 小田原俊成
3 認知症と紛らわしい疾患の見きわめ②─せん妄と認知症
日本医科大学医療心理学教授 野村俊明