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怒涛のような救急搬送が少し落ち着いた夜中の2時の救急外来[プラタナス]

No.4876 (2017年10月07日発行) P.3

志賀 隆 (国際医療福祉大学医学部救急医学講座准教授/同大学三田病院救急部長)

登録日: 2017-10-09

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  • 信頼するチーフレジデントのN先生が「先生!重症の小児の患者さんです。気道緊急と考えています」

    と私に声をかける。表情は真剣だ。すぐに診察に向かう。

    心配そうな母親とともに生来健康な8歳の女児が呼吸困難にて来院している。呼吸は早く20回/分を超える。酸素飽和度は94%、脈は100回/分、血圧は98/60、体温は36.5C。

    吸気にも呼気にも異常呼吸音を聴取する。ストライダーだ。

    酸素療法を開始し、動きながら救急診断学の原則を振り返る。

    まずはROWS(Rule out worst case scenario)だ。もっとも危険な鑑別診断は何か?年齢、病態生理、疫学から考える。

    「喉頭蓋炎か?細菌性気管支炎か?クループか?それとも?」

    次にIllness scriptに移る。

    「疾患像はどの鑑別診断に合致するのか?」

    呼吸困難があり酸素飽和度が低いのはとても気になる。しかし、発熱はない。気道分泌物もほとんどない。細菌性気管支炎の可能性は低いだろう。

    完全なTripod positionではない。今なら追加の情報を取ることができる!

    気道管理の準備をしつつ、軟部組織を撮影。やはり、喉頭蓋は大きくない。ただ声門下の気道狭窄を認める。重症のクループだろう。

    「N先生、まずはクループの治療を開始しよう!」

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