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被災地の子どもの健康への影響 アトピーの有病率上昇、BMI増加[震災5年 医療は今]

No.4794 (2016年03月12日発行) P.12

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-01-26

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  • 東日本大震災のように甚大な被害をもたらした災害は、子どもの健康にも大きな影響を与えている。厚生労働科学研究費事業として行われている「東日本大震災被災地の小児保健に関する調査研究」(代表者:呉繁夫東北大院教授)研究班は1月10日、シンポジウムを開き研究結果について報告した。

    運動不足や食生活の変化が要因か

    山縣然太朗氏(山梨大)は、被災地の子どものBMI〔体重÷(身長×身長)〕の推移に着目。2006年に生まれた「震災を経験した園児」と青森・秋田・山形という東北の「非被災3県の園児」を対照群に用いた分析では、岩手県の園児は、男女ともに震災直後に有意差はないもののBMIが増加していた。宮城県の園児でも同様の傾向が見られた。
    一方、福島県(図1)では男女ともに有意にBMIが増加傾向にあることが明らかとなった。このほか、保育園在籍時に震災を経験していない04年に生まれた園児を対照群にした分析でも、06年に生まれた福島県の園児は、有意差はないものの男女ともにBMIが増加傾向にあることがわかっている。懸念されていた、東京電力福島第一原子力発電所事故による生活環境の変化などの影響が改めて示された形だ。
    山縣氏はBMI増加の一番の要因として運動不足を挙げ、そのほかでは食生活の変化、親の生活の影響、ストレスの影響を指摘している。



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