四病院団体協議会は15日に会見を開き、民間病院の賃上げが産業全体に比べて遅れており、特に医師のベースアップ実施率が産業平均を大きく下回っているとの調査結果を公表した。全日本病院協会の猪口雄二会長は「病院経営は本当に危ない。診療報酬改定に向け大幅なプラス改定を訴えたい」と強調した。
調査は、全日病が会員の民間病院2405施設を対象に実施(回答率22.3%)したもので、2012年以降の賃金の動向を尋ね、全産業と比較した。
ベアの実施率については、全産業では2014年以降、大幅な改善がみられるのに対し、民間病院の改善は小幅にとどまり、医師では16年が7.9%、17年が4.8%だった。医師以外のベア実施率は医師より高くなっていたが、「コメディカルの賃金改善を優先する病院が多いため」(猪口氏)だという。また、2016年の1人平均賃金の改定額は、全産業(全規模)5176円に対し、民間病院は3588円。賃金の改定率も、全産業(同)1.9%に対し、民間病院は1.3%だった。
猪口氏は「民間病院の収益は伸びているが、人件費の上昇ペースが上回っている。職員数も増えており、他産業より賃金が上がりにくい」と述べた。