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mesopancreasへの従来法によるapproach【術者が標本を自在に牽引しながら操作できることがメリット】

No.4884 (2017年12月02日発行) P.56

横山政明 (杏林大学消化器・一般外科)

登録日: 2017-12-02

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mesopancreasは2007年にGockelらによって提唱された概念であり,その記述には膵頭部背側と上腸間膜動/静脈(SMA/SMV)の間にある神経・リンパ組織であるとされているが,明確な定義・境界は示されていない。そのため『膵癌取扱い規約 第7版』においては,この用語は採用されていない。

mesopancreasの内部には膵頭神経叢第Ⅱ部,SMA周囲リンパ節,下膵十二指腸動脈(IPDA)が含まれる。したがって,膵癌に対する膵頭十二指腸切除術の際にR0をめざす観点からmesopancreasの完全摘除は非常に重要であり,最近注目されている概念である。

mesopancreasへのapproach方法には様々あるが,ここでは従来法によるapproachについて述べる。

Kocher授動術を先行とする従来行われてきた方法であるが,切除の最終段階でmesopancreasを切除するため,膵頭十二指腸部はmesopancreasを除いて切離が終了している。術者が標本を自在に牽引しながら操作を行える,というメリットはあるが,mesopancreas切除が最終段階であるがゆえ,明らかながん遺残となるようなSMA周囲浸潤があっても切除を続行せざるをえない場合がある。

【解説】

横山政明 杏林大学消化器・一般外科

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