四病院団体協議会(四病協)は30日、福祉医療機構(WAM)から民間病院への緊急融資として、1病院につき約10億円を上限とする長期運転資金貸付制度の創設を求め、加藤勝信厚生労働相に要望書を提出した。
WAMの経営状況分析によると、2016年における一般病院の医業収益対医業利益率は0.3%、経常収益対経常利益率も0.6%にとどまっている。医療従事者の増加に伴う人件費と経費率の増大が背景にあり、前年度と比べても利益率・収益率は減少傾向にある。
四病協として要望書の提出を決めた24日に会見した日本病院会の相澤孝夫会長は「2017年度の経営状況は16年度よりさらに悪い。緊急融資は経営難の民間病院を救済する1つの手になる」と強調。2018年度診療報酬改定で本体がプラス0.55%となったものの、薬価が大幅な引下げとなることに触れ、「病院経営の改善にはつながらない。医薬品卸との価格交渉も難しくなり、薬剤を多く使う施設ほど厳しくなる」と語った。