【質問者】
今泉 督 沖縄県立中部病院おきなわジェンダー センター副センター長,形成外科副部長
親富祖勝己 沖縄県立中部病院おきなわジェンダー センターセンター長
肝門部胆管癌における肝動脈吻合は,術前に3DアンギオグラフィやCTにより切除予定の血管を確認して,グラフトが必要かどうかを確認し,必要があれば採取予定の前腕にてアレンテストを行っておきます。
まず,顕微鏡下に吻合予定の血管内腔や断端を注意深く観察します。動脈硬化や電気メスの利用により内膜が損傷していることが多く,内腔の状態を確認することは重要です。また,血管の分枝も太い糸で結紮されている場合は,それにより周囲の外膜を巻き込むことで血管に負担をかけることになり,さらに本管ぎりぎりで結紮されている場合は,分枝の内腔が本管の内腔に突出するようになり,それぞれ血栓形成の原因となります。血管に余裕があれば結紮された分枝部分より中枢側を利用しますが,そうでない場合には,丁寧に結紮糸を外して内腔を確認します。筆者らは,顕微鏡下にこの操作を行い,再度9-0ナイロンにて分枝を結紮するようにしています。
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