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舟状骨骨折[私の治療]

No.5269 (2025年04月19日発行) P.54

坪川直人 (新潟手の外科研究所副理事長/病院長)

登録日: 2025-04-22

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  • 舟状骨は手根骨近位列と遠位列を結ぶ重要な手根骨であり,全手根骨骨折のうち舟状骨骨折は約75~80%と非常に頻度が高い。舟状骨の解剖学的特徴から骨折の診断,治療は重要である。舟状骨骨折は見落とされ偽関節になる症例が存在する。偽関節は高率に変形性関節症(scaphoid nonunion advanced collapse:SNAC)を引き起こし,手関節に機能障害をもたらす。若年男性のスポーツでの受傷が多く,手を開いた状態で手をつき,伸展橈屈を強制されることやパンチ動作などにより発生する。

    ▶診断のポイント

    臨床症状では手関節腫脹,疼痛,可動域制限,握力低下を認める。特徴的な症状として解剖学的嗅ぎタバコ窩(anatomical snuff box),舟状骨結節の圧痛がある。画像診断では単純X線写真4方向(正面・側面・回内斜位・回外斜位)の撮影を行う。初診で骨折が明瞭でない症例では,MRIで精査するか,2~3週間後に再度X線撮影を行う。骨折の状態,骨癒合判定にCTは有用である。

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