厚生労働省の先進医療会議は8日、国立がん研究センター中央病院から申請された、進行・再発固形がんを適応症としたマルチプレックス遺伝子パネル検査を先進医療(用語解説)とすることを認めた。4月から先進医療として実施される予定。
マルチプレックス遺伝子パネル検査は、数百に上る多数の遺伝子の変異の有無を一括して検出する検査。米国では薬事承認されていないものの日常臨床で実施され、その結果に基づいた治療選択が行われている。一方、日本では、網羅的遺伝子検査は医療機器としての薬事承認が必要だが、現時点では承認を得た医療機器は存在しない。
会議の下部にある先進医療技術審査部会は事前評価において、総合判定を「適」とし、「本技術の有用性と限界が正確に被験者に伝わることを確認する必要がある。また、個人情報が適切に管理できたかも厳重にチェックした上で、保険収載されるべき」と総評をまとめていた。これを受けて会議では、技術審査部会の評価結果通りとすることで一致した。
予定協力医療機関は国立がん研究センター東病院と京大附属病院。先進医療にかかる費用は66万4000円(研究費負担が20万円、患者負担が46万4000円)となる。