日本医師会の横倉義武会長は11日の定例会見で、都道府県ごとに診療報酬を設定するとした財務省の社会保障費抑制策に改めて反対の姿勢を示した。
政府が6月にまとめる財政健全化計画の柱として位置づけられる社会保障費抑制策について議論した11日の財政制度等審議会財政制度分科会で財務省は、都道府県ごとの診療報酬の設定を提案した。これに対し横倉氏は、「患者さんの動きに変化をもたらし、それに伴う医療従事者の移動によって地域偏在が加速し、医療の質の低下を招く恐れがある」と問題視。「医療費適正化計画に盛り込まれている特定健診・特定保健指導の実施率、たばこ対策、予防接種などをすべて行っても計画の目標が達成しない場合に検討されるもの」と指摘し、まずは2023年度まで実施される第3期医療費適正化計画で、都道府県行政が住民の健康増進にしっかりと取り組み目標を達成することが重要との認識を示した。その上で、健康寿命の延伸と医療費の抑制を目指し、医療団体、経済団体、保険者や自治体などで作る日本健康会議の取り組みを紹介。「都道府県ごとに健康会議を設置し、住民の健康寿命延伸により医療費適正化図っていく必要がある」と話した。