【質問者】
日比八束 藤田保健衛生大学内分泌外科教授
iPTHが100~200pg/mL程度で,頸部USなどで腫大した副甲状腺が検出されないのに,内科的治療でPのコントロールが不良であるような場合は,ミネラル担当臓器である尿細管,腸,骨,副甲状腺のうち,腸が最も高P血症に関与していると考えます。すなわち,透析患者の高P血症は,透析不足がないという前提で考えると,摂取したPが処方されたリン吸着剤に吸着されずに腸から吸収されていることや,Pの摂取量が多いことが一番の原因です。
ご質問の症例の場合,副甲状腺摘出術(parathyroidectomy:PTx)を行ってもまず高P血症は改善しませんので,PTxの適応はありません。服薬アドヒアランスが悪い,間食が多い,インスタント食品,加工食品,プロセスチーズ,菓子,コーラ系飲料など食品添加物が多いものを摂取しているなどの原因を見つけ,繰り返し指導することが肝要と考えます。
残り798文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する