末期腎不全の治療方法には血液透析、腹膜透析、腎移植があるが、日本は血液透析の実施率がきわめて高い。日本透析医学会の統計調査によると、2016年末時点の透析患者数は約33万人。このうち腹膜透析の実施率は2.7%(9021人)にとどまる。また、腎移植は年間1600人程度だ。
2018年度診療報酬改定では、腹膜透析と腎移植を推進する取り組みや実績を評価する見直しが行われた。これは、治療方法を選択する際に、医学的条件だけでなく、ライフスタイルや年齢、性格なども考慮することを後押しするため。例えば、人工腎臓の導入期加算に関して、適応に応じた腎代替療法の十分な説明を要件化したほか、腹膜透析と腎移植に向けた手続きを実施している医療機関を評価する加算も新設された。