□心房,あるいは房室接合部から生じる心拍数100/分以上の頻脈性不整脈で基礎心疾患を有さないことが多い。代表的なものは発作性上室頻拍である。
□多くは発作的に出現する〔(発作性上室性頻拍)paroxysmal supraventricular tachycardia:PSVT〕ので,「突然の動悸」が特徴的である。
□致死的ではないが,ときに循環不全によるふらつきも認められる。
□主に発作時の心電図で行う。
□一般にはQRS幅の狭い(<0.12msec,心電図記録幅では<3mm),RR間隔一定のHR:120~200/分の頻拍である(regular narrow QRS tachycardia)(図)。
□PSVTの機序は,副伝導路を介する房室回帰性頻拍(atrioventricular reentrant tachycardia:AVRT)と,房室結節二重伝導路を介する房室結節リエントリー性頻拍(atrioventricular nodal reentrant tachycardia:AVNRT)が主なもので,いずれもQRS波の後方,ないしはQRS波にほぼ重なった逆行性P波を伴う。
□一方,心房頻拍(atrial tachycardia:AT)では,通常はQRSの前方に,洞調律のP波とは異なる形状のP波を伴う。
□非発作時心電図でも,デルタ波(WPW症候群)が認められれば,AVRTの基質である副伝導路の存在が明らかとなる。
□心房粗動・心房細動も広義の上室性頻拍と言えるが,他稿にゆずる。
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