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右脚ブロック

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-12
小林義典 (東海大学医学部付属八王子病院循環器内科教授)
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  • ■疾患メモ

    ヒス束より末梢の下位刺激伝導系の伝導障害により顕性化する。そのうち,右脚の伝導ブロックによるものが右脚ブロックである。正常健常者にも認められることが多く,これ自体の病的意義は低い。

    右脚ブロック(right bundle branch block:RBBB)に軸変異を伴う2束ブロックや,PR間隔の延長を伴うものや左脚ブロックに移行するもの(交代性脚ブロック)などいわゆる3束ブロックは,完全房室ブロックの前徴とみなすべきである。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    RBBB自体は何ら症状を引き起こすものではない。

    RBBB出現の背景に構造的心疾患があれば,これによる心不全症状,心筋虚血症状などが発生する。

    また,RBBBから2度以上の房室ブロックに進展すれば,徐脈に伴う脳虚血症状や心不全症状などが現れる可能性がある。

    【検査所見】

    心電図診断1):V1,V2誘導のrSR'パターンでは,通常は,後ろのR'の振幅が高い。右室肥大を伴う場合は,前のr波が高くなることがある。また前壁心筋梗塞例では異常Q波を認める。稀に,幅広でノッチを認めるR波のみの波形を呈することがある。I,V6誘導でR波よりも幅の広いS波(>40ms)を認める。

    QRS幅の基準:成人では完全RBBBはQRS幅≧120ms。不完全RBBBは110~120msの間とされる。16歳以下の小児では,成人より短い数値に設定されている。

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