□急性硬膜外血腫は頭蓋骨骨折に伴い硬膜動脈が損傷し出血,硬膜外より脳を圧迫するものである。
□急性硬膜外血腫は頭蓋内合併損傷がない場合,治療により後遺障害なく完治しうる疾患である。このため正確な早期診断,慎重な経過観察,適切かつ積極的な外科治療の介入が必要である。
□代表的症状は意識清明期(lucid interval)を伴う意識障害で,頭蓋内圧亢進症状を反映する頭痛,嘔吐や巣症状としての麻痺,痙攣などが出現し,さらには脳ヘルニアの症状として瞳孔異常が出現する。
□意識清明期が特徴的な理由は,急性硬膜外血腫においては脳実質損傷を伴わないことが多いためであるから,脳損傷合併例では当然,意識清明期を伴わないことが多い。
□したがって,頭部単純CTが第一選択であり,かつ必須の検査である。典型的な症例では,いわゆる凸レンズ状の血腫(=高吸収域)を認め,縫合線を超えない(図1)。
□また,頭部単純写真やCT骨条件で血腫の直上に線状骨折を認めることが多い。
□CTでは3D再構成が骨折の描出に優れている。急性期のMRIは撮像時間が長いことなどから不要である。
□初回検査では少量の血腫であっても,急激に増大する可能性があるため,注意深い経過観察と繰り返しCTを撮影することが必要である。
□重症例のCT所見では,頭蓋内合併損傷(脳内出血,脳腫脹など)や,くも膜下出血が認められる場合が多い。
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