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進行性筋ジストロフィー

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-16
尾方克久 (東埼玉病院臨床研究部長)
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  • ■疾患メモ

    筋線維の壊死と変性を主な病変とし,臨床的には進行性の筋力低下が生じる遺伝性筋疾患の総称である。

    呼吸不全や心不全に対する治療の進歩により,生命予後が延長している。

    2015年7月1日から「筋ジストロフィー」の病名で,わが国の「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)における指定難病113となった。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    骨格筋の壊死と変性による,進行性の筋力低下をはじめとする運動障害が,臨床症状の基本である。

    主要な病型として,ジストロフィン症〔デュシェンヌ(Duchenne)型,ベッカー(Becker)型〕,肢帯型,先天性,顔面肩甲上腕型,筋強直性,眼咽頭型,遠位型,エメリー・ドレイフス(Emery-Dreifuss)型といった病型がある。病型により,骨格筋障害の分布に特徴がある。

    骨格筋障害に伴い脊柱側弯や関節拘縮をきたすことが多い。

    進行すると呼吸機能障害,心筋障害,嚥下障害が生じ,しばしば生命予後を左右する。

    消化管機能障害,腎障害,骨代謝異常,内分泌代謝異常,眼症状,難聴,中枢神経障害といった合併症が生じることがあるが,その頻度は病型による。

    病態研究の進歩により,筋ジストロフィー原因遺伝子の変異で,骨格筋障害がほとんどなく心不全等の筋外症状が目立つ症例が報告されるようになった。

    【検査所見】

    血清クレアチンキナーゼ(CK)が上昇するが,その程度は病型による。

    針筋電図で,筋原性変化を認める。また,筋強直性ジストロフィーでのミオトニア放電は特徴的である。

    生検筋病理所見で,壊死線維や再生線維を認めるが,病型により程度は異なる。骨格筋免疫染色により,確定診断に至る病型が多い。

    ジストロフィン症,筋強直性ジストロフィー,福山型先天性筋ジストロフィーの遺伝子検査はわが国で健康保険適用であるが,検査会社で通常実施する方法では検出できない変異がある。

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