□わが国の感染者から分離される裂頭条虫のほとんどは,日本海裂頭条虫である。
□ヒトは幼虫(プレロセルコイド)を保有している中間宿主を生で,あるいは加熱不十分な状態で摂食することで感染する。中間宿主の寿司,刺身が原因食品として知られている1)。
□日本海裂頭条虫の中間宿主はサクラマス,カラフトマス,サケ(特に4~6月に捕獲されるサケ)2),終宿主はヒト,クマなどであるが,生活史に関しては不明な点が多い。
□大きさが数メートルに及ぶ長大な寄生虫であるが,症状は比較的軽度である。
□軽度の下痢や腹痛を訴えることがあるが,無症状例も多い。
□肛門からの虫体排出に気づき,不安感に駆られ受診する症例が多い。
□血液検査で本症に特異的な検査項目はない。
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