□子宮頸管ポリープとは,子宮頸管部において,線維血管性の芯(fibrovascular core)を良性子宮頸管上皮が覆ったものが外向性発育したものをいう1)。発生原因は不明であるが,慢性炎症や性ホルモンが関与しているという意見がある。
□子宮頸部に発生する腫瘍としては最も一般的であり2),全女性の約2~5%3),あらゆる年代に発生する。ただし初経前では稀であり,分娩経験のある若い女性や40歳以降に多いと言われる。
□月経時以外の出血,過多月経,性交後出血,閉経後出血などのいわゆる不正性器出血や帯下の増加などの症状を呈するが,症状を認めないことも少なくない。検診やほかの婦人科疾患に対する内診時における腟鏡診(クスコ診)にてたまたま発見されることも多い。
□通常は3~5mm程度の大きさであり,ほとんどは1cm未満で単発である。
□肉眼的に確認できるため診断は容易である。つまり,クスコ診にて以下を認める:赤味がかったピンク色で平滑あるいは分葉状,球形かやや楕円形の指状あるいは棍棒状の腫瘍が子宮頸管内から外子宮口に突出している。感染・壊死などにより,白色化している場合もある。
□ただし,表2)に示すように他の病変でもポリープ様に見える場合があるため注意が必要である。
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