外陰炎・腟炎は,感染や正常な細菌叢の変化などによって引き起こされる外陰部・腟の炎症である。外陰と腟の解剖学的連続性のために,両者にわたって炎症を認めることが多い。原因としては,感染性と非感染性に大別され,また小児期か成人期か,閉経前か閉経後か,など年齢によって外陰炎・腟炎の原因が変わってくる。本稿では,感染性疾患として外陰腟カンジダ症,細菌性腟症,非感染性疾患として外陰腟萎縮(萎縮性腟炎),接触皮膚炎を取り上げる。
まずは視触診および腟鏡診で外陰部・腟を観察する。症状を確認し,病変を同定する。鏡検,腟内pH,腟分泌物培養などを行い,感染性か非感染性かを検討する。
感染性の外陰炎・腟炎の場合には,特定された病原体と症状に合わせて薬剤を選択していく。薬剤は,局所治療が基本となるが,局所治療が困難な場合あるいは治療抵抗性の場合には内服薬を考慮する。
非感染性の場合には,症状と検査所見から原因を推定し,適切な治療を選択することが重要である。
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