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低用量ピルで月経症状を緩和する[〈from総合医育成プログラム〉プライマリ・ケアで役立つクリニカルパール(12)]

No.5268 (2025年04月12日発行) P.6

柴田綾子 (淀川キリスト教病院産婦人科医長)

登録日: 2025-04-12

最終更新日: 2025-04-08

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産婦人科編③ 日本プライマリ・ケア連合学会監修

本連載では,日本プライマリ・ケア連合学会/全日本病院協会が実施している「総合医育成プログラム」の中から,選りすぐりのクリニカルパールを紹介します。現場のニーズを熟知しているエキスパートが,プライマリ・ケア医にとって「まさにそこが知りたかった!」というポイントをわかりやすく解説します。

今回のクリニカルパール低用量ピルには,避妊に加えて月経痛,月経量の改善効果がある。
前兆のある片頭痛は禁忌,喫煙者では禁忌や慎重投与になる。
処方前にBMI(体重・身長)と血圧を確認する。

1 低用量ピルの処方の流れ

日本の低用量ピルには,①経口避妊薬(oral contra-ceptive:OC),②低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(low dose estrogen-progestin:LEP)の2種類があります(表1)。①,②ともに,避妊効果に加えて,月経痛,月経量,月経不順の改善,月経前症候群(premenstrual syndrome:PMS)や排卵痛の改善,肌荒れやニキビの改善効果が報告されています(表21)


低用量ピルの副作用には血栓症があり,安全に使用するためには,禁忌や慎重投与を遵守する必要があります(表31)2)。低用量ピルを処方する際には,BMIと血圧を測定し,服用方法(飲み忘れ時,副作用,注意すべき症状)を説明し,子宮頸癌検診や性感染症予防について情報提供をして下さい。血液検査,妊娠反応検査,内診,経腟超音波検査は,低用量ピルの処方には必須ではありません。しかし,月経痛が強い方や月経量の多い方には子宮筋腫,子宮腺筋症,子宮内膜症の検索のために,内診や経腟超音波検査を提案します。

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