産婦人科編③ 日本プライマリ・ケア連合学会監修
本連載では,日本プライマリ・ケア連合学会/全日本病院協会が実施している「総合医育成プログラム」の中から,選りすぐりのクリニカルパールを紹介します。現場のニーズを熟知しているエキスパートが,プライマリ・ケア医にとって「まさにそこが知りたかった!」というポイントをわかりやすく解説します。
日本の低用量ピルには,①経口避妊薬(oral contra-ceptive:OC),②低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(low dose estrogen-progestin:LEP)の2種類があります(表1)。①,②ともに,避妊効果に加えて,月経痛,月経量,月経不順の改善,月経前症候群(premenstrual syndrome:PMS)や排卵痛の改善,肌荒れやニキビの改善効果が報告されています(表2)1)。
低用量ピルの副作用には血栓症があり,安全に使用するためには,禁忌や慎重投与を遵守する必要があります(表3)1)2)。低用量ピルを処方する際には,BMIと血圧を測定し,服用方法(飲み忘れ時,副作用,注意すべき症状)を説明し,子宮頸癌検診や性感染症予防について情報提供をして下さい。血液検査,妊娠反応検査,内診,経腟超音波検査は,低用量ピルの処方には必須ではありません。しかし,月経痛が強い方や月経量の多い方には子宮筋腫,子宮腺筋症,子宮内膜症の検索のために,内診や経腟超音波検査を提案します。