クリニックで行う麻酔─子宮内膜ポリープ切除時の傍頸管ブロック(paracervical block:PCB)手技について,以下のような基礎的なことから先生がポイントであると思われることをご教示下さい。
(1)局所麻酔の種類,穿刺部位(何箇所,穿刺の深さ),1箇所にどのぐらいの量を注入していますか。
(2)穿刺する際にマルチン鉗子や塚原鉗子を使用していますか。
(3)鉗子で牽引する際の除痛はどうしていますか。
にしかわウイメンズヘルスクリニック・西川 鑑先生にご解説をお願いします。
【質問者】
小野修一 駿河台レディースクリニック院長
【PCBによりクリニック内で子宮頸部を操作する日帰り手術が可能である】
International Federation of Gynecology and Obstetrics(FIGO)では異常子宮出血(abnormal uterine bleeding:AUB)の原因として,2011年に生殖年齢期女性のAUB原因疾患分類システム(FIGO AUB system 2)であるPALMCOEIN分類を提唱しています。
AUBの原因となる器質的疾患(polyp,adenomyosis,leiomyoma,malignancy and hyperplasia)のそれぞれの頭文字をとってPALMとしていますが,子宮内膜ポリープはその「P」に該当するものです。またCOEINは,子宮の構造異常を伴わない非器質性疾患の頭文字(coagulopathy,ovulatory dysfunction,endometrial disorders,iatrogenic causes,not otherwise classified)です。
日本産科婦人科学会の調査では,AUBの原因の約1割が子宮内膜ポリープとの結果でした。
治療のスタンダードは子宮鏡下手術と考えますが,通常は入院が必要になります。近年は外来手術が可能な子宮鏡も発売されていますが,費用の問題があります。手動真空吸引法(manual vacuum aspiration:MVA)を用いた方法では,外来で灌流液を用いることなく安価な器具で子宮内膜ポリープの摘出が可能です。
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