□臨床的に,①外陰部に多発する黒褐色丘疹,②病理組織学的にBowen病と鑑別ができない,③若い年齢層に多い,という特徴を有するヒト乳頭腫ウイルス(human papillomavirus:HPV)感染症の1つであり,自然消退することもある。
□若年者では悪性化は稀で,予後は比較的良好とされる。
□外陰部,肛門周囲に生じる通常2~10mmまでの黒~褐色丘疹が散在または多発し,自覚症状はない。時に丘疹は集簇・融合して局面を形成する。表面平滑または疣贅様変化を呈する(図1)。
□外陰部に好発し,時に頸部,顔面,手指などにも生じる。
□若い年齢層に多い特徴を有する一方,60歳代以上の発症例もある。
□Bowen病(carcinoma in situ)と同じ所見を示す。
□表皮肥厚と表皮全層細胞配列の乱れ,異型細胞の増殖を認める。
□核分裂像,集塊細胞(clumping cell),個細胞角化が特徴的である。
□疣贅様増殖をきたした場合の肥厚パターンは,尖圭コンジローマに類似する。
□臨床と病理組織で行う。
□鑑別診断は臨床的に尖圭コンジローマとの鑑別は難しいが,病理組織学的所見で鑑別する。そのほか,脂漏性角化症,扁平苔癬,Bowen病,色素性母斑,基底細胞癌などが鑑別疾患に挙げられるが,Bowen病以外は通常病理組織で鑑別が可能である。
□尖圭コンジローマと鑑別が難しい症例では,PCR法,in situ hybridization法で病変部高リスク型のHPV DNA(特にHPV16型)の検出が鑑別に有用である。
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