□やせ願望や肥満恐怖に基づく食行動の異常のために,やせをきたす疾患である。ストレスを適切に処理する能力の未熟性が病因の1つとされ,10~20歳代の女性に多いが,小学生での発症や30歳以降の発症も増加傾向にある。
□病型には制限型とむちゃ食い/排出型がある。治療には個々の精神病理の理解が不可欠であり,長い時間がかかる。
□重症例では救命のための緊急入院が必要となることがある。
□非常にやせているにもかかわらず,ボディイメージの障害のため病識が欠如していることが多い。
□しばしば過剰に活動する傾向にある。
□経過中に過食となることが多く,自己誘発性嘔吐を伴う。
□やせに伴い無月経,骨塩量減少,低体温,低血圧,徐脈,便秘,浮腫,脱毛,皮膚の乾燥,筋萎縮が認められる。
□自己誘発性嘔吐がある場合は,手背に吐きだこや唾液腺の腫大がみられることがある。
□診断基準を表1に示す。
□発症初期では血液検査所見に異常のないことが少なくない。
□尿検査:ケトン体陽性,時に尿蛋白陽性。
□血液検査:貧血,白血球減少,時に血小板減少あるいは増加。
□電解質:低ナトリウム血症,低カリウム血症。
□生化学検査:AST・ALT上昇,高コレステロール血症(重症では低下),CPK上昇。
□内分泌検査:トリヨードサイロニン(T3)低値。
□心電図:徐脈,低電位差,時に不整脈,QT時間延長,T波異常。
1190疾患を網羅した最新版
1252専門家による 私の治療 2021-22年度版 好評発売中
PDF版(本体7,000円+税)の詳細・ご購入は
➡コチラより