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@ER×ICU めざせギラギラ救急医

「救急医って何者!?」新進気鋭の救急医が答えます

定価:2,970円
(本体2,700円+税)

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著: 薬師寺泰匡(岸和田徳洲会病院救命救急センター 医長)
判型: A5判
頁数: 236頁
装丁: 単色
発行日: 2017年11月15日
ISBN: 978-4-7849-4718-8
版数: 1
付録: -

【電子版配信中】


※ダウンロードPDF版

  • ブログ『@ER×ICU 救急医の日常』や日経メディカルOnlineのコラム連載で大人気の薬師寺泰匡先生が贈る、救急医の実態調査レポート。救命救急センターとERとの違いといった日本の救急医療の仕組みから、救急医の日常業務やプライベートの過ごし方、さらには優れた救急医になるためのアドバイスまで、軽妙な文章でわかりやすく解説。
  • 今後の専門分野として救急を考えている初期研修医、将来の専攻に悩む医学生などなど、救急に興味のある方へ今まであまり知られていなかった「リアル救急医」の世界をご紹介します。
診療科: 救命救急 救命救急

目次

第1章 救急医療の枠組み、救急医の仕事について
救命救急センターってどんなところ?
ERってどんなところ?
ERが発展しなかったわけ ─日本の救急医療体制の歴史─
救急医の出現 ─救急医って何をする人なのか?─
救急医の仕事

第2章 救急医について
救急医になるために
救急医はイケメンがいい!
救急医に必要な能力
プロフェッショナルに近づく学生時代の過ごし方
救急医の日常
救急医のプライベート
救急医の睡眠時間
救急医のやりがい
限られた時間の活かし方
ドラマの救急医と本物の救急医
どうして救急医になったのか

第3章 救急科研修について
研修病院の選び方
初期研修と後期研修の違い
後期研修医として初期研修医の指導に当たる
自分自身の日々の勉強
院外での勉強会
メンターを見つける
救急医のキャリアプラン

第4章 救急ならではの症例紹介
救急ならではの症例
救急ならではの症例1 「アルコール関連」
救急ならではの症例2 「心停止患者」
救急ならではの症例3 「抜けなくなっちゃった人」
救急ならではの症例4 「熱中症」
救急ならではの症例5 「敗血症」

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序文

はじめに


「救急医ってどんな人ですか?」って質問されたら、返答に窮してしまう国。それが日本ではないかと思います。テレビドラマや映画を観ていても、みんないろんなことをやっていて、どうも実態が掴みにくい存在かもしれません。しかも、救急車で病院に搬送されたら必ず救急医がいるかといったらそうでもないのが現実なので、余計に実感しにくい状況です。おそらく救急医に対するイメージは医学生や医師の間ですらあいまいで、ER医だとか救命医だとか、分類しはじめたら余計に混乱して、ついつい関西弁で「どないやねん」と突っ込みたくなる気持ちがふつふつと沸いてくることと思われます。
この本がそういった疑問(ツッコミ?)に対する答えになれば最高ではありますが、とりあえず実際の救急医が毎日どんなことを考えて、どんな仕事をしているのか、脚色のない等身大の形をお届けしたいなと思っています。自分は救急医としては若手で、もっとこの世界にどっぷり浸かっている方や、もっともっと深く広く活躍されている方々もたくさんいらっしゃいます。それは重々承知の上ですし、 n=1のケースレポートのようなものですので、エビデンスとしては不十分すぎます。ですから、「あぁ、こういう人もいるんだなぁ」とか、「他の人はどんな感じなのかなぁ」といった、興味の入口にして頂ければ幸いです。
というわけで、この本の読者として想定しているのは、これから救急医療に関わりたいと思っている人、医学生や医学生になろうと思っている人、救急医療に興味がある人、救急医がどんな人なのか興味がある人です。それ以外の人は置いてけぼりになるかもしれませんが、本書を日本の救急医療はどうなっているのか、これからどうなるのかということを考えるきっかけにでもして頂き、あとはヤギの餌にでもして下さい。救急に興味が持てなくても、この本のおかげでヤギの生態には興味が持てるかもしれません(消化できないので本当はダメですよ)。もし「救急医になってもいい、是非なりたい」という方がいらっしゃいましたら、日本救急医学会が「救急医をめざす君へ」というウェブサイトをつくっているので、是非参考にして下さい(qqka-senmoni.com)。僕以外の救急医の生き方などにも触れられます。いつか救急医として一緒に頑張りましょう!
さて、ここまで読んで頂いて、救急医について書かれた本なのだということをご理解頂けたのではないかと思います。しかし「それにしても“ギラギラ救急医”ってなんやねん」という疑問がまだ残っていることでしょう。タイトルの“ギラギラ救急医”ですが、テレビドラマにもなった『きらきら研修医』へのオマージュみたいなものです。高校を卒業するときの卒業アルバムに「君の目はいつもキラキラしていて……」と担任教諭が書いてくれたすぐ横に、同級生が「あなたの目はいつもギラギラしていて……」と書いてくれたのが記憶にあり、じゃあ僕はギラギラ研修医だなということで、同名のブログを書いていました。そして初期研修が終わって、救急医として歩みはじめたのを契機にギラギラ救急医になりました。決して脂ぎっているわけではございません。いつでも前向きに、目をギラギラ輝かせて日々過ごしているつもりです。もちろん、「そんなもんめざしたくないわ」ということでしたら、キラキラ救急医をめざして下さい。
いろいろ書きましたが、肩の力を抜いて気軽に読んで頂ければと思います。それでは、あまり誰も教えてくれなかったリアル救急医の世界をお楽しみ下さい。

2017年10月 薬師寺泰匡

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レビュー

ギラギラした医学生・研修医にもキラキラした医学生・研修医にもお薦め!

志賀 隆(国際医療福祉大学医学部救急医学講座/同三田病院救急部長)
「待望の一冊!」が出版された。著明なブロガーである岸和田徳洲会病院救命救急センター医長・薬師寺泰匡先生の一冊である。

世の中には、著書はいろいろと出しているが臨床業務がおろそかになっている先生もいらっしゃる。しかし、薬師寺先生は文字通りスーパー救急医で月に何度も夜間帯に働きつつも、原稿執筆や講演活動を続けている。また、しっかりとアカデミックな活動も両立されており、学会発表や論文執筆も精力的にこなされている。そんな薬師寺先生の今回の一冊はすべての「医学生・研修医」にお薦めである。

なぜだろうか? 救急医をめざすというと一見「意識高い系」という分類をされてしまいそうだが、薬師寺先生の選んだダイナミックなキャリアは現在の医学生・研修医にとって格好の教材そのものだからである。以下にどうして読むべきか! について章ごとに解説したい。

第1章では、救急医療の枠組みについてわかりやすく解説されている。新しい形の救急医であるER型救急医はなぜ生まれ、発展してきたのか? とてもわかりやすい説明でスーっと理解できる。

第2章では、救急医の必須事項になんと「イケメン」が出てくる。確かに、やっくん(薬師寺先生のあだ名)はイケメンだけど…。厳しすぎない?と思うとイケメン=紳士的かつ情熱的な医師であると解説があり、さすが薬師寺先生だと納得する。

第3章では、救急医としてどのようにキャリアを歩むべきか? について過去の考えにとらわれず柔軟な考え方が提示されている。中でも注目したいのは、メンターについての記載である。やはり相談できて腹を割って話せる身近なメンターの重要性も触れられている。しかし、それだけではなく、ウェブやSNSの進んだ現在の社会においてメンターは自分の施設にいなくてもよく、気軽に相談できたり共感してくれる存在であれば他施設でもよいと指摘している。また、救急医ならではのEM Alli-anceや拙著「医師人生は初期研修で決まる! って知ってた?」もご紹介頂いているところも特筆したい。

第4章を見てほしい。まさに現場の救急医からの情報発信である。敗血症の最新のアップデートから、DNARまでとてもわかりやすくまとめてある。かつて、救急医は「専門医から教えを請うことで成長する」という姿勢であった。しかし、教えを請うだけの時代はもう古く、救急医自身が勉強し研究し情報発信をする時代である。

薬師寺先生はまさに「情報発信を通じて自らを磨く、紳士的で情熱的なイケメン救急医」なのである。医学生、若手医師にぜひ本書をご一読いただき、薬師寺先生のエネルギーと才能を感じてほしい。

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