著: | 田中竜馬(Intermountain LDS Hospital 呼吸器内科・集中治療科) |
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判型: | A5判 |
頁数: | 234頁 |
装丁: | 2色刷 |
発行日: | 2019年04月19日 |
ISBN: | 978-4-7849-5671-5 |
版数: | 第1版 |
付録: | 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) |
1章 各モードでのトラブル各論
1-1 漏れる!
1-2 詰まる!①[VCV 編]
1-3 広がらない!①[VCV 編]
1-4 広がらない!②[PCV 編]
1-5 詰まる!②[PCV 編]
1-6 患者–人工呼吸器非同調モードが合ってない!①
1-7 患者–人工呼吸器非同調モードが合ってない!②
1-8 1回換気量が合ってない![VCV 編]
1-9 フローが合ってない![VCV 編]
1-10 吸気圧が合ってない![PCV 編]
1-11 吸気時間が合ってない![PCV 編]
1-12 吸気が2段に! 1-13 トリガーが合ってない!①[ すべてのモード]
1-14 呼気が合ってない![すべてのモード]
1-15 トリガーが合ってない!②[ すべてのモード]
2章 各モードでのトラブル総論
2-1 トラブルシューティングまとめ
2-2 VCV でのトラブル①気道内圧上昇
2-3 VCV でのトラブル②気道内圧低下
2-4 VCV でのトラブル③1回換気量低下
2-5 PCVでのトラブル①1回換気量低下
2-6 PCVでのトラブル②気道内圧上昇
2-7 CPAP(+PS)でのトラブル①無呼吸
2-8 CPAP(+PS)でのトラブル②1回換気量低下
2-9 モードに共通のトラブル①呼吸回数上昇
2-10 モードに共通のトラブル②低酸素血症
2-11 モードに共通のトラブル③高二酸化炭素血症
3章 PRVCでのトラブル
3-1 PRVC の考え方
3-2 PRVCのアラーム
3-3 PRVCでのトラブルの考え方
3-4 PRVCでのトラブル①1回換気量低下
3-5 PRVCでのトラブル②しんどそうな呼吸
「人工呼吸器アラームが鳴っているけど,急いで上の先生を呼んだほうがいいの?」
「なんだか患者さんの呼吸が苦しそうだけど,このままの設定で見てていいの?」
など,人工呼吸器の扱いに慣れてきても,悩むことがよくありますよね。なんだかよくわからないままアラームが鳴り続けたりすると,こっちまで息苦しくなります。
人工呼吸管理では,「一通りの設定ができればOK!」ではなくて, 患者さんが良くなるまでに遭遇する様々なトラブルを,ひとつひとつ解決していかなければなりません。人工呼吸器トラブルというと, 痰詰まり, 気胸,肺疾患の悪化,気管チューブの抜け,回路の外れ,器械の不具合などなど,なんだか数多くの原因があるように考えて,苦手意識を持っているかもしれません。
でも, トラブルをきっちり整理して理解しておけば,決まった手順を踏むことであわてずにしっかりトラブルシューティングできるのです。
人工呼吸管理中の患者さんの状態が良くないときには,診察や胸部画像, 血液ガスなどを使って評価するのはもちろんですが,人工呼吸器から得られる情報が非常にたくさんあります。呼吸を手助けするだけでなく,診断でも大いに活躍するのが人工呼吸器です。
本書では, 人工呼吸器から得られる情報を最大限に活かして, トラブルの原因検索・解決にせまる方法を体系的に学びます。緊急時にすぐ役立つ知識を身につけるための内容です。
1章では,まず各論として臨床現場で遭遇するさまざまなトラブルを知り,それと併せて,背景となる人工呼吸器のしくみについて学びます。2章では,総論として,それぞれのモードにおけるトラブルシューティングを, 現場でどのように考え,どう実践するか整理します。ほとんどの方にはこの1章,2章の内容で十分だと思いますが,PRVCを使う方のために今回は3章を設けました。最近使用される機会が増えているこのモードですが,VCVやPCVとはトラブルでの考え方が異なるところもあるので,一般的なモードの説明のあと別個にまとめています。
それでは,人工呼吸器トラブルの考え方を身につけて,トラブルシューティング名人になれるよう, 一緒に勉強していきましょう。
2019年3月
田中竜馬