著: | おると |
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判型: | A5判 |
頁数: | 172頁 |
装丁: | 2色刷 |
発行日: | 2019年10月31日 |
ISBN: | 978-4-7849-5596-1 |
版数: | 第1版 |
付録: | 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) |
おると先生、こんなに書いちゃって大丈夫ですか!?
現役フリーランス医師としてTwitterフォロワー数No.1のおると先生(Twitter ID:Ortho_FL)が、フリーランス医師について徹底解説する、業界初の教科書!
お金や働き方などのリアルな話や、絶対に失敗しないための知識など、誰も教えてくれなかった大切なエッセンスを大公開
目次
1 フリーランス医師ってなに?
2 フリーランス医師について徹底考察!
3 みんなが気になるフリーランス医師のお金の話
4 リアルなフリーランス医師の仕事内容
5 実際にフリーランス医師になろう! 退職・就職活動編
6 実際にフリーランス医師になろう! 実践編
7 フリーランス医師が絶対に知っておくべき知識と法律,制度
診療科: | 医学一般 |
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はじめに
1 フリーランス医師ってなに?
①ゆるふわ系からスーパードクターまで多彩なフリーランス医師の姿
②現在のフリーランス医師の立ち位置と今後の展望
2 フリーランス医師について徹底考察!
①フリーランス医師の生活ってどんなもの?
②フリーランス医師として働くために必要な心構え
3 みんなが気になるフリーランス医師のお金の話
①実際,フリーランス医師の収入はどんなレベルなの?
②実際に仕事を組むとして収入を試算してみよう
③収入を圧倒的に増やす交渉術
4 リアルなフリーランス医師の仕事内容
①フリーランス医師の勤務形態
②フリーランス医師の「当直」はあり?
5 実際にフリーランス医師になろう! 退職・就職活動編
①最難関⁉ 脱医局,脱職場をどうやって円満に進めるか
②仕事を組み始める前によく考えよう!
③実際に仕事を探そう
④実際に仕事を探す3つのルート
⑤職場見学や面接に行こう!
⑥実際に職場と契約してみよう!
6 実際にフリーランス医師になろう! 実践編
①緊張の新年度! すぐやるべきこと
②勤務を始める上での注意点
③契約更新の際の注意点
7 フリーランス医師が絶対に知っておくべき知識と法律,制度
①労働者の最終兵器,労働基準法と民法
②恐怖のリストラ……「解雇」にどう対応する?
あとがき
コラム
みんなが知ってる有名フリーランス医師
休みのために働く!?
実在フリーランス医師の生の声① 大学院時代にフリーランス医として独立
フリーランス医師は実際どれくらいの時間働いているのか
実在フリーランス医師の生の声② フリー内視鏡医+株式投資で金銭・時間両面に余裕
職場への退職宣言をする前から就職活動をしても大丈夫?
医師転職サイトのエージェントは面接にも同席してくれる
雇用契約書でトラブルになった話,救われた話
実在フリーランス医師の生の声③ 専門医取得と同時にフリーランスの道へ(=おるとの場合)
有給休暇取得で揉めた実体験
はじめに
みなさんこんにちは! フリーランス整形外科医として働いている,おると(Twitter ID:@Ortho_FL:QRコード参照)と申します。
最近いろいろな業界でフリーランスという言葉を耳にするようになってきましたが,みなさんはご存知でしょうか? フリーランス(freelance)は,特定の企業や団体・組織に所属せず,独立して行う働き方のことを指します。つまりフリーランスは働き方,雇用形態を表すもので,職業ではありません。そもそもフリーランス(として働く人=フリーランサー)はいつから存在したのでしょうか? 語源は,なんと中世にまでさかのぼります。
中世ヨーロッパでは, 貴族に忠誠を誓った騎士が軍の中心となっており,その補強として大きな戦争のときには貴族に属していない傭兵団と契約していました。当時の主力は槍騎兵(lancer)だったため,契約の際には槍の本数で1戦闘単位が数えられていました。そして,自由契約の(free),戦闘単位(lance)を指す言葉として“free-lance”が用いられるようになったと言われています。
当時は兵士を指していた“free-lancer”は,だんだん「組織を離れて働く人」という意味になってきたのです。
ランサーズ株式会社が実施した「フリーランス実態調査2018年度版」では,日本における広義のフリーランス人口前年比は横ばいで,わが国における労働力人口の全体の17%になりました。また米国の調査会社Edelman Intelligence社が実施した「FREELANCING IN AMERICA:2017」という調査レポートでは,2027年には米国ではフリーランス人口が非フリーランスの人口を超えるという考察もあり, 今後日本においてもフリーランスという働き方の認知が向上し,どんどん数が増える可能性があります。
米国などと比べると, 現在の日本においてはまだフリーランサーの数は少ないですが,年々増える傾向にあります。
◇
整形外科専門医資格を取得した後に, 僕は医局を脱してフリーランス医師になりました。
僕がフリーランスになった当時は, 周りにフリーランスの医師はほとんどいなかったので,本を読んで独学で勉強し,開業している医師や税理士などに様々な制度の仕組みを教わるところから始まりました。
あれから時間が経ち, フリーランスの医師としていろいろな経験を積みました。フリーランスドクターが医師転職・バイト・ライフスタイルを考えるブログ「フリドク」を開設し,そのおまけでTwitterを開始したところ順調にフォロワーも増え, そして本書の執筆のお話をいただきました。
フリーランス医師という勤務形態は現代のニーズに非常にマッチしていますが,現時点でこのような働き方をしている医師の数は多くはありません。しかし,今後さらに増加すると考えられ,なるなら今がチャンスと思っています。
これからフリーランスの医師として働くことを考えている方,あるいは既にフリーランスであるという方や,いつかフリーランスの医師を雇うかもしれない経営側の方など, あらゆる方に知っていただきたいことを本書にまとめました。
また,フリーランス医師についてご存知なかったり,良い印象を抱いていない方には,本書を通してフリーランス医師の苦悩などを読んでいただき,少しでも現状を知っていただけますと幸いです。
考え方などは医師以外の他業種にも共通するところも多く, また一般の方でも面白く読めるように書かせていただきました。
本書を読み終わったとき, みなさんがフリーランス医師という働き方を理解し,自分の人生の選択肢の1つとして考えられるようになれば幸いです。