編: | 藤田雅史(みやぎ県南中核病院 検査部) |
---|---|
判型: | B5判 |
頁数: | 256頁 |
装丁: | カラー |
発行日: | 2021年02月16日 |
ISBN: | 978-4-7849-4943-4 |
版数: | 第1版 |
付録: | 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) |
セミナー講師として活躍中の執筆陣が、初学者のために書き下ろした入門書。
基本断面の描出から計測法、心機能の評価法まで基礎的事項をわかりやすくまとめています。
救急外来で遭遇することの多い18の疾患を取り上げ、画像の解釈、病態把握のポイントを解説。
紙面と連動したWeb動画が理解を助けます。
第1章 はじめに
第2章 各モードの特徴
第3章 装置の調整
第4章 代表的なアーチファクト
第5章 基本断面の描出
第6章 基本計測項目
第7章 左心機能
第8章 右室圧(肺動脈圧)の推定
第9章 左室壁運動異常の読み方
第10章 救急外来における心エコー
第11章 プローブを当てた瞬間にどう考えるか
【動画200本収録】特設サイトにて公開中
第1章 はじめに
1 心エコー検査について
2 POCUSとFoCUS
第2章 各モードの特徴
1 断層法(Bモード法)
2 Mモード法
3 カラードプラ法
4 パルスドプラ法
5 連続波ドプラ法
6 組織ドプラ法
7 スペックルトラッキング法
第3章 装置の調整
1 断層法における調整
2 カラードプラ法における調整
3 パルスドプラ法・連続波ドプラ法における調整
第4章 代表的なアーチファクト
1 多重反射
2 サイドローブ
3 音響陰影
4 ミラーイメージ
第5章 基本断面の描出
1 エコーウィンドウ
2 胸骨左縁アプローチ①長軸断面
3 胸骨左縁アプローチ②短軸断面
4 胸骨左縁アプローチ③右室流入・流出路断面
5 心尖部アプローチ
6 心窩部アプローチ
7 胸骨上窩アプローチ
8 胸骨右縁アプローチ
第6章 基本計測項目
1 Mモード法
2 Bモード法
3 ドプラ法
第7章 左心機能
1 左室収縮能
2 左室拡張能
第8章 右室圧(肺動脈圧)の推定
1 簡易ベルヌーイ式
2 三尖弁逆流からの右室圧推定
第9章 左室壁運動異常の読み方
1 壁運動と壁厚変化
2 壁運動異常(asynergy)
3 心室同期不全(dyssynchrony)
第10章 救急外来における心エコー
1 虚血性心疾患
2 たこつぼ心筋症
3 大動脈解離
4 肺血栓塞栓症
5 肺高血圧症
6 急性心筋炎
7 大動脈弁狭窄症(AS)
8 大動脈弁閉鎖不全症(AR)
9 僧帽弁閉鎖不全症(MR)
10 肥大型心筋症
11 拡張型心筋症
12 心アミロイドーシス
13 心サルコイドーシス
14 感染性心内膜炎
15 心タンポナーデ
16 粘液腫
17 肺うっ血
18 心不全と判断するには
第11章 プローブを当てた瞬間にどう考えるか
1 左房が大きい
2 左室が大きい
3 右室が大きい
4 左室壁が厚い
5 大動脈弁が高輝度で動きが悪い
6 左室壁運動がびまん性に低下
7 左室壁運動が局所的に低下
8 心内に異常構造物がある
9 上行大動脈が太い
研修医が心エコー検査を身につけると、どういったメリットがあるでしょうか?
救急外来では胸痛や息切れの患者が来た際に、虚血性心疾患かどうかなど疾患の鑑別ができ、不要な検査の削減と迅速で適切な治療方針選択が可能となります。また、病棟では、自分の受け持ち患者の病態把握ができます。
このような知識と経験は、循環器以外の科に進んだ時にも役に立ちます。息切れの原因は肺なのか心臓なのか? とか、整形外科の手術で全身麻酔だけど心臓は大丈夫? とか、輸血や補液を多量にしているが心臓に余力があるか? など様々な場面で心エコー検査の出番はあります。
このように大変役に立つ心エコー検査ですが、計測値や理論が多く、難しそうといった印象を受けるかもしれません。しかし、心エコー検査をする上では基本的な事項を理解しているかどうかで、得られる画像や検査結果の精度が大きく異なります。そこで、本書では必要な基本事項に関してわかりやすく記載しました。また、症例に関しては実際の救急外来で遭遇することの多い症例をメインに取り上げ解説しました。
執筆いただいた先生方は各自が心エコー検査のスペシャリストであり、それぞれの施設や地域において研修医対象のセミナー講師を務めておられます。そのため初学者が何を知りたいかをよく理解した上で執筆されており、研修医のみならず、これから心エコーを始めるすべての人に役に立つ内容となっています。本書をきっかけに心エコー検査を武器として身につけていただければと思います。(まえがきより)
下記の箇所に誤りがございました。謹んでお詫びし訂正いたします。