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臨床実習マスターガイド 基本手技・救急 必ず身につけておきたい36の基本事項

定価:4,400円
(本体4,000円+税)

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編集: 志賀 隆(国際医療福祉大学医学部救急医学 主任教授)
判型: B5判
頁数: 240頁
装丁: カラー
発行日: 2022年09月26日
ISBN: 978-4-7849-5963-1
版数: 第1版
付録: 【電子版付き】

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臨床実習で経験・習得すべき医行為をわかりやすく解説!

「医学部の臨床実習において実施可能な医行為について(厚生労働省・2018年7月)」の内容を参考に、必ず身につけておきたい「一般手技」・「外科手技」・「救急の手技」の36項目を解説したテキストです。



本書の紹介記事をnoteに掲載しております!
ぜひ併せてご覧ください。

診療科: 総合診療 治療一般

目次

1章 必ず身につけておきたい「一般手技」16
1 皮膚消毒
2 外用薬の貼付・塗布
3 気道内吸引
4 ネブライザー
5 静脈採血
6 静脈セットの作り方
7 静脈路確保
8 胃管挿入
9 尿道カテーテル挿入・抜去
10 注射
11 予防接種
12 シーネ固定
13 小児からの採血
14 カニューレ交換
15 浣腸
16 松葉杖

2章 必ず身につけておきたい「外科手技」12
1 清潔操作
2 手指消毒(手術前の手洗い)
3 ガウンテクニック
4 皮膚縫合
5 消毒・ガーゼ交換
6 抜糸
7 止血処置
8 手術助手
9 膿瘍切開・排膿
10 嚢胞・膿瘍穿刺(体表)
11 創傷処置
12 熱傷処置

3章 必ず身につけておきたい「救急の手技」8
1 一次救命処置
2 気道確保
3 胸骨圧迫
4 バッグバルブマスクによる換気
5 AED
6 電気ショック
7 気管挿管
8 整形外科領域の保存療法に必要な固定法

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序文

「採血の上手なお医者さんを育てて欲しい!」とよく患者さんからお言葉をいただきます。医学生のうちから手技の上達に取り組むことはとても重要です。本書は、より実践的かつ網羅的な書籍にするために「医師養成の観点から医学生が実施する医行為の例示(厚生労働省・2018年7月)」の内容を参考に企画いたしました。

手技の上達に必要な要素はたくさんありますが、私は下記の5つではないかと考えております。
❶解剖、解剖、解剖
❷立体的な想像力
❸シミュレーターでの練習
❹物品の理解
❺振り返り


❶解剖、解剖、解剖
たとえば中心静脈挿入の際ですが、静脈と動脈が並走しているときもあれば、上下になっているときもあります。左からの鎖骨下静脈穿刺は、胸管の損傷・リンパ漏の危険性があります。また、鎖骨に近づけば当然肺が近づき、気胸のリスクが上がります。正確な解剖の知識と理解が安全な手技には必須となります。

❷立体的な想像力
「シミュレーターでの血管穿刺は上達したが、患者さんでの血管穿刺となるとうまくいかない」という研修医の先生をよく見かけます。シミュレーターの際には水平なのですが、実際の患者さんの皮膚は斜めになっておりますので、斜めの平面に対して垂直に血管穿刺を行う必要があります。正確な解剖からの「立体的な想像力」があってこそ、手技はうまくいくものです。

❸シミュレーターでの練習
やはり、手技の練習は机上の知識では難しいでしょう。とはいえ、初めての手技が患者さんというわけにはいきません。当院では、縫合、血管穿刺、気管挿管などのシミュレーターは常にベッドサイドに置いてあり、シミュレーションセンターに行けばもっとよい製品があります。何度もシミュレーションできるという環境が手技の近道であることに異論はあまりないかと思います。

❹物品の理解
「弘法筆を選ばず」ということわざがありますが、実際は筆を選んでいたということがよく知られています。良い成果を出すためには、良い道具を選び、その性質や構造を熟知しておくことが大切です。
たとえば、トリプルルーメンカテーテルの茶色のポートからはガイドワイヤーが出てきます。そのため、ここはシュアプラグをつけないということを知っているだけでも、カテーテル挿入の円滑さへとつながります。

❺振り返り
驚くほど円滑な手技・手術をされている先生にその秘訣を聞いてみて下さい。「何度も練習をした」「うまく行かなかった際、その原因を振り返り、次への対策を考えた」という言葉が返ってくるはずです。このように、トラブルシューティングの経験が手技の上達に必須になります。中心静脈カテーテル挿入時に針先が超音波の画面に出てこない、腰椎穿刺の際に何度刺しても骨に当たってしまうなど、トラブルは枚挙にいとまがありません。
本書のそれぞれの項目にトラブルシューティングについて記載を頂くようにしています。初歩的な部分から医師になっても使える部分、失敗した際に振り返ることのできるポイントが掲載されています。


上記5つの要素を大事にしながら、手技の対象をシミュレーターから患者さんへステップアップして頂ければと思います。「先生は採血がうまいですね! そんなに痛くありませんでした!」と嬉しい言葉を患者さんにいただけるよう、ぜひ本書を活用して下さい。

本書を代表して
国際医療福祉大学医学部救急医学 主任教授
志賀 隆

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