著: | 小沢友紀雄(MJG心血管研究所所長) |
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判型: | B5判 |
頁数: | 220頁 |
装丁: | 口絵カラー |
発行日: | 2015年04月10日 |
ISBN: | 978-4-7849-4221-3 |
版数: | 第1版 |
付録: | - |
心電図を初めて学ぶ医学生・医師のみならず、 心電図読影に関わるあらゆる職種の方々にも理解しやすい書籍となるよう、「基本からわかりやすく学べる、オーソドックスな心電図判読のための解説書」としました。
判読の基本を容易に体得できるように、極力わかりやすい図や、典型的で綺麗な心電図を精選し、多数収載しました。
新装版では第2版の内容に最近の動向や新しい所見も加え再構成。心臓突然死と関連するQT延長症候群、Brugada症候群やJ波症候群など、いわゆるイオンチャネル病、他の検査で診断困難な不整脈などの心電図の基本的な読み方についても解説。
レイアウトも変わり、さらに読みやすさアップ!
心電図の解説書としてのみならず、 辞書的な役割も含めて本書を大いにご活用下さい!
第1章 心電図の基礎と正常心電図1 心電図とは? ─心電図から何がわかるか
2 12誘導心電図の誘導法と記録
3 心電図波形─(1)正常心電図の波形
4 心電図波形─(2)各誘導心電図の波形
5 心電図波形の計測と数値のみかた
6 健常者の12誘導心電図のみかた
7 心電図波形とその表現
8 正常12誘導心電図の各誘導波形のみかたのポイント
9 12誘導心電図以外の心電図検査のポイント
第2章 異常心電図
1 異常心電図の読みかたの基本
2 心房負荷の心電図のみかた(右房拡大・左房拡大)
3 心室負荷の心電図のみかた(左室肥大・右室肥大)
4 虚血性心疾患の心電図のみかた
4-1 狭心症と無症候性心筋虚血
4-2 心筋梗塞の典型的心電図所見・経過
4-3 心筋梗塞の非典型的心電図所見・経過および部位診断
5 心室内伝導障害の心電図のみかた
5-1 心室内伝導障害と心電図
5-2 右脚ブロック
5-3 左脚ブロック
5-4 右脚ブロックと左脚ブロックの心電図波形のまとめ
5-5 左脚分枝ブロック(左脚前枝ブロック・左脚後枝ブロック)
5-6 二枝ブロック
6 早期興奮症候群の心電図のみかた
6-1 WPW症候群の心電図
6-2 その他の類縁疾患の心電図
7 心膜炎の心電図のみかた
7-1 急性心膜炎の心電図
7-2 その他の心膜炎の心電図
8 ST-T異常のある心電図のみかた
8-1 二次性ST-T異常
8-2 重要な虚血性心疾患のST-T異常
8-3 その他のST-T異常と最も多い非特異的ST-T異常
9 電解質異常の心電図のみかた
10 心筋症(肥大型・拡張型)の心電図のみかた
11 特徴のある異常波形(ε波,J波,Brugada症候群)のみかた
11-1 催不整脈性右室心筋症(ARVC)とε波(イプシロン波)
11-2 低体温や早期再分極症候群とJ波(オスボーン波)
11-3 Brugada症候群
12 QT延長症候群(先天性・二次性)の心電図のみかた
13 異常Q波の心電図のみかた
第3章 不整脈
1 不整脈心電図の読みかたの基本を体得する
2 洞調律と洞不整脈(洞頻脈・洞徐脈・洞不整脈)の心電図のみかた
3 異所性調律の心電図のみかた
4 上室期外収縮の心電図のみかた
5 心室期外収縮の心電図のみかた
6 副収縮の心電図のみかた
7 上室頻拍の心電図のみかた
8 心室頻拍の心電図のみかた
9 Torsades de Pointesの心電図のみかた
10 心房粗動と心房細動の心電図のみかた
11 心室細動の心電図のみかた
12 洞停止と洞房ブロックの心電図のみかた
13 補充収縮・補充調律の心電図のみかた
14 洞機能不全症候群の心電図のみかた
15 房室ブロックの心電図のみかた
15-1 第1度房室ブロック(PR延長)
15-2 第2度房室ブロック(Ⅰ型とⅡ型)
15-3 進展性房室ブロック
15-4 第3度房室ブロック(完全房室ブロック)
16 人工ペースメーカーの心電図のみかた
コラム 心電図って奥が深い?その1
コラム 心電図って奥が深い?その2
索引
本書はもともと, 研修医や医学生の方々を対象とした日本医事新報社の月刊誌に連載され好評を博した「心電図の読みかた・考えかた」を単行本化したもので,第1版,第2版を経て,今回新装版が出版されることになりました。
新装版では, 心電図を初めて学ぶ医学生・医師のみならず, 心電図読影に関わるあらゆる職種の方々にも理解しやすい書籍となるよう,「基本からわかりやすく学べる,オーソドックスな心電図判読のための解説書」をめざして, 第2版の内容に最近の動向や新しい所見も加え再構成しました。極力わかりやすい図を追加,典型的で綺麗な心電図を精選し,判読の基本を容易に体得できるように心がけています。また,レイアウトも変更し,さらに読みやすくなりました。
近年,医療機器の著しい進展により,循環器疾患の領域でも新しい診断機器が開発され活用されていますが,心臓の電気的現象を把握する検査としての心電図の重要性には変わりがありません。ほかによい検査法がなかった過去の時代には心電図のみから多くの病態を診断しようとしたこともありました。しかし近年,新たな機器の開発による精度の高い病態診断が可能となってきたことから, 心電図の役割がより明確になってきたと感じます。
たとえば, 心電図における新たな領域として, 心臓突然死と関連するQT延長症候群,Brugada症候群やJ波症候群など, いわゆるイオンチャネル病が注目されています。他の検査で診断困難な不整脈などの心臓電気生理学的異常の把握における心電図の重要性も再認識されています。これらの心電図の基本的な読み方については,本書でも解説を加えました。
本書を読まれた後には, 少なくとも日常臨床における様々な心電図の判読に苦労することがなくなり,より応用力のある読み方が可能になることでしょう。
心電図の解説書として, そして辞書的な役割も含めて本書を大いに活用されることを願っています。
下記の箇所に誤りがございました。謹んでお詫びし訂正いたします。