厚生労働省の「麻しん・風しんに関する小委員会」は8日、医療機関で働く者に対する予防接種の推奨を強化するなどした麻疹と風疹に関する特定感染症予防指針の改正案を了承した。改正案について厚労省は関連部会で審議した後、夏をメドにパブリックコメントを行い、今年度中に指針の改正を行う予定。
麻疹と風疹の特定感染症予防指針(告示)は5年ごとに再検討を加え、必要がある時は変更することとされている。2018年度は改正の時期となるため、2月から議論を続けていた。
小委員会が了承した改正案の柱は、①定期予防接種実施率向上に向けた対策の強化、②児童福祉施設、医療機関等における対策の強化、③輸入症例への対策の強化、④風しん抗体検査から予防接種への結び付け、⑤広域感染発生時の対応の強化―の5つ。
このうち、②の児童福祉施設、医療機関等の対策については、沖縄に端を発する今般の麻疹流行において医療施設内での感染例がみられたことや、現在の両指針は、免疫不全者、妊婦などの予防接種の不可能な者や0歳児に接する機会の多い者に対する予防接種の重要性が強調されていない―という課題に対応する。
改正案では、児童福祉施設や医療機関等で働く者に対する予防接種の推奨を強化し、0歳児や予防接種の不可能な者に接する機会の多い者に対し、 特に強く予防接種を推奨する趣旨の記載を両指針に追加することとした。