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■NEWS ロボット支援手術の点数引上げのため「優越性を早期に明らかにする必要」 外保連

No.4918 (2018年07月28日発行) P.18

登録日: 2018-07-20

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外科系学会社会保険委員会連合(外保連)は17日、ロボット支援手術をテーマに記者懇談会を開いた。診療報酬の点数を引き上げるために、既存手術と比較した優越性を早期に明らかにする必要があるとの認識を示した。

2018年度診療報酬改定では胃癌など12件のロボット支援手術が保険収載されたが、診療報酬の点数は従来の腹腔鏡下手術と同点数となった。

会見で岩中督会長は、ロボット支援手術の保険収載に向けて「既存技術と同程度の医学的有効性および安全性を有するが、優越性を現時点で示すことが困難かつ実施に追加費用がかかる技術について、どう考えるか」という論点があることを説明。岩中氏は、この論点に対して「厚労省は、患者にとってのメリットが示されない以上、診療報酬上の評価は既存技術と同程度が適切(追加費用を患者・保険者に負担させることは困難)という見解だ」と紹介したほか、CT、MRI検査と同様に、普及や効率化により価格が低下することを厚労省は予測していると指摘した。

■「CTやMRIと同様の普及や効率化は困難ではないか」

これに対し岩中氏は、「ロボット支援手術は、一定の外科医の技術と労働力を必要とするため、CTやMRIと同様の普及や効率化は困難ではないか」との私見を披露。さらに「ロボット支援手術機器は日本に300台しかなく、(ロボット支援手術は手術時間が長くなるため)1日1~2件程度しか手術できないので、年間250日フル回転しても年7万5000人しか手術ができない。赤字の手術をするために1台3億円のロボット機器を購入しようとする病院の経営者はそういないだろう」との考えを示した。

その上で、ロボット支援手術の診療報酬の点数を引き上げるためには「既存手術との比較検討で優越性を証明するしかない」と強調。「合併症発症率や、がん5年生存率、少なくとも安全確実で、かつQOLが良くなるというデータを早く出さないといけない」と述べた。

18年度改定における12件のロボット支援手術の点数については、外保連試案が反映されず「忸怩たる思い」と述べた岩中氏

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