No.4922 (2018年08月25日発行) P.39
徳嶺譲芳 (杏林大学医学部麻酔科学教室教授)
湯浅晴之 (近畿大学医学部麻酔科学講座准教授)
登録日: 2018-08-27
最終更新日: 2018-08-22
超音波ガイド下中心静脈穿刺にはピットフォールがある
超音波ガイド下中心静脈穿刺には,「心理的葛藤や抵抗」が生じる
指導者は,初学者のシミュレーショントレーニングをスーパーバイズしなければならない
十数年前,初めて超音波で内頸静脈を観察した。太い内頸静脈が皮膚のすぐ下にあった。そのとき,もうこれからは内頸静脈穿刺で失敗することはないと思った。しかし,実際に穿刺してみるとどうだろう。静脈は見えるのに針が見えない,いつの間にか針が静脈に入っていることもあれば,いつの間にか失敗していることも…,便利なのか不便なのかわからない…,超音波ガイド下中心静脈穿刺(超音波ガイド法)はそういうものだと気がついた。
本稿では,超音波ガイド法を習得するための鍵として,超音波ガイド法のピットフォールと原理,そしてシミュレーション・トレーニングという3点に絞って解説を行う。