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急性期脳梗塞に対する血管内治療の適応,機能予後,生命予後

No.4926 (2018年09月22日発行) P.57

齋藤竜太 (東北大学脳神経外科講師)

堀江信貴 (長崎大学脳神経外科講師)

登録日: 2018-09-22

最終更新日: 2021-01-07

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  • 急性期脳梗塞に対して血管内治療(血栓回収療法)の有効性が示されてからある程度の期間が経過しましたが,その適応,機能予後,生命予後,組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)療法との関係などについて,長崎大学・堀江信貴先生が感じられたり工夫されたりしている点をご教示願います。

    【質問者】

    齋藤竜太 東北大学脳神経外科講師


    【回答】

    【いかに早く標準的な治療を行えるかが予後に直結する】

    わが国は,現在の高齢人口の急速な増加に伴い,脳卒中,特に脳梗塞を発症する患者数が今後増加することが予測されています。その中で,心房細動を主な原因とする心原性脳梗塞は最も重症型で,死亡や寝たきりの原因となります。心原性脳梗塞は心臓にできた血栓が脳血管へ流れていき,脳主幹動脈を突然閉塞することで広範囲の脳虚血(脳梗塞)を引き起こします。

    このような脳主幹動脈閉塞に対しては,従来から組織プラスミノーゲンアクチベーター(tissue plasminogen activator:t-PA)の静注療法が行われてきましたが,2014年を皮切りに血管内手術の有効性を検証するいくつかの無作為試験の結果が報告され,脳血管内手術による血栓回収術の有効性が示されました。これらの試験の結果によると,脳主幹動脈閉塞による脳梗塞に対して血管内手術の有効性が治療必要数(number needed to treat:NNT)4~6と驚異的な数字でした。試験の結果を受けて,「脳卒中治療ガイドライン2015年(追補2017)」ではグレードAとして推奨されています。

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