社会医学系の8学会6団体で構成する「社会医学系専門医協会」は9月29日、理事会終了後の会見で、2017年4月に開始した社会医学系専門医の研修制度について、17年度中に専門医381人と指導医2679人の計3060人を認定・登録したと報告した。専攻医の総数は9月25日現在、2年目の者を含め221人。認定された研修プログラムは73件となり、全都道府県で研修可能な体制が整った。今中雄一副理事長(日本公衆衛生学会)は「(養成は)総じて順調に進んでいる」と総括した。
社会医学系専門医制度では、専攻医は①行政・地域、②産業・環境、③医療(経営管理、医療情報など)―の3つから主分野と副分野を選択し、3年間の実践研修を積む。現在までに登録された専門医・指導医は、一定期間以上の社会医学系活動の経験などを要件に、経過措置として書類選考で認定を受けた者。来年8月に、特例で3年より早く研修を修了する者などを対象に第1回専門医認定試験が実施される。
同協会は今後、認定試験の受験に必須となる基本プログラム7科目の講習について、年内に全科目のeラーニング教材化を完了させる方針。また、厚生労働省が専門医機構認定専門医を医療法上で広告可能とする方向で検討する考えを示したことを受け、社会医学系専門医も同様の取扱いとなるよう目指すとしている。